2020-05-24

リモート勤務で買わなくてよかったモノ

去年の夏、8年半住んだシリコンバレーを離れ、ニューヨークに引っ越した。と同時に、フルリモートになった。そもそも年の半分は出張というライフスタイルだったのだが、全くオフィスに行かなくなる生活は初めてだった。ちょうどリモート勤務1年生が終わろうとしている。

COVID19の影響もあり、在宅勤務ハックが日々ネットを賑わせている。おすすめグッズ情報には事欠かない昨今だ。なので、逆に「買わないでよかったモノ」をまとめてみようと思った。

一先ず僕の仕事の内容としては、以下のような感じだ。

  • IT企業勤務
  • 20名強のマネジャー
  • 基本的にパソコンで仕事が完結する

買わなくてよかった大きなディスプレイ

僕は基本的に一日ずっとパソコンの前にいるが、外付けディスプレイを持っていない。13インチのMacbook Proの画面だけで仕事をしている。元々出張が多く、出張先では大きなディスプレイは使えないからということで持っていなかったのだが、今でも買わないで仕事をしている。

理由はふたつ。

まず、そもそも自分はひとつのことにしか集中できないので、そこまで大きな画面はいらない。今手前に開けてあるアプリさえ見えればそれで良い。Emailなら自分が読んでいるメールだけ見れれば良いし、データ分析をしているなら、プロットやテーブルが見れれば事足りる。その代わり、アプリに複数のウィンドウがある場合(例えばターミナル)、それらを全部前に持ってきたいので、Front and Centerというアプリを使っている。

もうひとつの理由として、自分が大きなディスプレイを使ってしまうと、自分よりも小さなディスプレイの同僚とZoom越しに画面を共有する際に、何かと不便になる。画面全体を共有すると、相手のディスプレイに小さく映り込んでしまうので、アプリ毎に共有するしかない。そうすると、複数のアプリを跨いだ説明をする際に、共有する画面を何度も変更することとなり、自分も面倒くさいし、相手にも伝わりづらい。自分はマネジャーなので、部下が大きなディスプレイを自分と共有した時に、「ごめん、全然読めないわw」と言えるが、逆は言いづらいこともある。お客さんと話をする時なら尚更である。

ただ、姿勢のことは考慮して、出張時代からRoost Standは愛用している。

買わなくてよかったスタンディングデスク

いわゆる立ったり座ったりしながら仕事ができるように、ボタンひとつで高さが調節できるアレである。一時買おうかと思ったのだが、結局やめた。普通にテーブルに先のRoost Standをたてて仕事をしている。

座り疲れたらどうするか。立って仕事を休むのだ。テンション次第では、ヨガをしたり、軽くジョギングしに行ったりもする。立ってまで働き続けるってどれだけパソコンにへばり付いてなくちゃいけないんだって話である。僕の場合、集中できて小一時間で、それくらいは座っていられるので、何ら支障はない。

また、基本的に生活用品はひとつずつしか買わない主義で、すでにIKEAの大きなテーブルがある今、デスクを別に買うことは、自分の買い物哲学に反する気がしたっていうのもある。コロナパニックで色々なものが品切れになる中、「ひとつずつ主義者」としては一抹の不安を覚えたが、結局乗り切れたので、今後も続けていこうと思う。

買わなくてよかった電化製品

当然のことながら自炊が増えた。出張が年半分だった男が一日中家にいるのだから当然である。新進気鋭のIT企業で働いている人間としては、スマートな電化製品を使う格好の機会なのだろうが、結局何も買っていない。パン生地は手で捏ね、米はオカンからもらった土鍋で炊き、食器は手で洗い、珈琲豆は手動ミルで挽いている。

一見時間の無駄に見えるが、これによって同期的に家事をすることとなり、強制的にオフラインの時間が作られ、生活のバランスをとるのに一役買っている。もちろん独身で時間があるがゆえの贅沢であることは百も承知だが。

急がないで働こうという話

なんか書いてみたら、こういう時こそ急がないでゆっくり生活しようよ、みたいな話になってしまった。もちろん急がないで仕事ができ、それでいてまだ仕事がある自分は幸福だとは重々承知している。と同時に、マネジャーをやっている今、自分があくせくと働けば、同僚たちにも必要以上にストレスを与えてしまうことも事実だ。

同僚へのストレスという意味だと、できる限りZoomを使わないようにしている。世間では右も左もZoom萌だが、僕は相手に頼まれない限り、1:1と定例以外のZoomはしない。みんな只でさえ子供も自分も自宅待機で忙しいのに、上司からしょっちゅうZoomで割り込みが入れば、ストレスが嵩むだけだ。なので、必要なことはできる限り文面に興し、「〇〇日までに読んでおいて」という風に指示するように心がけている。そうやって文面で非同期にコミュニケーションを取りながらも、会社のゴール達成や顧客の課題解決をスケジュール通りに進めるのが、この非同期かつ分散労働環境に於けるマネジャーとしての腕の見せ所なんじゃないかなと考えている。

まあ、いつもそう上手くは行っていないんだけどね。

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