2019-09-15
スタートアップな人に勧めたいランニング
3年半ほど前から走るようになった。スマホのランニングアプリ曰く、累計156回ランニングに行ったらしい。言っても 週一くらいの運動なので、大したことではないのだが、一応今年はハーフマラソンも走り、年末にはフルマラソンも 走る予定だ。
元々走り出した理由は、当時付き合い始めたばっかりだった彼女に「1kmも走れないとは(ry」と呆れられたことにある。 天邪鬼な性格なので、バカにされるとやる気が出る。ランニングシューズを買い、アプリをダウンロードし、少しずつ走るようになった。
その顛末を当時働いていた会社のCFOに言ったところ、「ランニングはいいぞ」と背中を押された。
— ランニングのどこが良いんでしょう
— 仕事と似ている
— …というと?
— 持久力と忍耐力が試されるし、とにかくツライ
— …
— ただ痛みに耐えられすれば、誰でもできる
痛みに耐えられすれば、誰にでもできる—これが最後の一押しとなり、人類のべ数百億人目のランナーとなった。 鬼のような仕事ぶりに敬意を払わざるを得ないCFOの仕事観を、本能的に知りたかったのかもしれない。
へっぽこなりに数年走ってみてつくづく思うのは、ランニングこそスタートアップで働いている人たちに向いた運動だということだ。
まず、ランニングは初期投資がかからない。必要なのはシューズと手頃なスポーツウェアだけである。ついでに言えば、 継続コストも実に低い。シューズの買い替えなぞ数年に一度だし、未だに筆者はウェアはふたつしか持っていない。 スタートアップをやっている人たちは大体お金がないので、うってつけだろう。
スタートアップをやってると、金よりないものが時間である。チームスポーツの練習をする時間も、練習試合に参加できる スケジュールの確実性もない、という人が多いんじゃなかろうか。その点、ランニングは実に時間効率が良い。 豪雨・豪雪の日を除けば、いつでも外でできるので、ジムに入る必要もない。東京なら冬もそこまで寒くないので通年で 外でできる。出張先でも、大体どこのホテルもトレッドミルはあるし、外を走って土地勘をつけるのも悪くない。 いつでもどこでもできるので、スキマ時間を有効に活用することができる。
最後に、金よりも時間よりもスタートアップをやっている時に実は一番無いもの、それは一人で誰にも邪魔されないで考えられる 場所だと思っている。筆者は創業者ではなく、あくまでスタートアップに初期に参加した人間だが、それでも会社の成長の 節目節目で、正解のない問題に何度も直面した。そういう時こそ、しばし直近の仕事から距離を置いて自省すべきである… のだが、なかなかそうもいかないのがスタートアップの現実である。顧客対応、マネージメント、営業ノルマ。タスクは 人それぞれだろうが、常に何かに追われており、そういうものから隔離された時間を取ることは非常に難しい。
ではどうすればよいのか?自分の時間をつくる効果的な方法が、自分の空間をつくることだ。自分の空間を持続させることにより、 外から干渉されない時間をつくることができる。ただ人間はそこまで強くないので、外的干渉に応じてしまったり、折角 つくった空間・時間を上手に自省に当てられなかったりする。
この点、ランニングはたいへん素晴らしい。まず、外的干渉は非常に稀である。ランナーの空間に入ってくるには、文字通り 伴走しなくてはならず、そこまでしてあなたの時間が必要な人はまずいない。電話・メール・メッセージが飛んでくるかもしれないが、 全力疾走しながら会話もメールもできやしない。また、走っているときというのは、あんまり他のことはできない。 ツイッターもインスタもチェックできないし、細かい作業も厳しい。せいぜいできるのは、その日の振り返りや、大枠での考えごとだろう。
走っているときのアタマというのは、必然的に戦略的なのだ。
ぶっちゃけ最近ブログを書かなすぎだったので、誰がこれを読んでいるのかわからないが、もしも金も時間もない中、 何か運動をしたいと考えている起業家やベンチャー勤務者がいるのであれば、是非ともランニングをオススメしたい。