2012-07-30

セクシスト田村耕太郎

田村耕太郎さんというグローバルな人が、ツイッターでこう発言していた

もちろん、欧米人の彼氏も。「あまりに日本でモテないのでこれ以上出会いなかったら外国行こうかと思ってました」と。皆、英語もできるし、スタイルもいいし、仕事もできる。日本男児よ、AKBもいいけど、ちょっと大人のゴージャス系日本女子もしっかり狙って!

どうやら高学歴・高収入・高身長の「三高女子」が日本人の男性から敬遠されているという話だ。そしてそうやって男尊女卑の古い観念に捉われている日本人男性はダメだ、欧米や台中を見習えということだ。

日本人男性が、台中欧米の男性から見習うことは色々あるだろう。だが、田村さんに言われたくない気もする。まず先のツイートを読み返して見る。

皆、英語もできるし、スタイルもいいし、仕事もできる。

三高女子のことを言っているのだろうが、この発言はいろいろと誤解を生みかねない。女性のスタイルへの言及は、セクハラ親父の戯言だとして、気になるのは「英語もできるし」「仕事もできる」というところだ。彼は、仕事ができることや英語が堪能なことを、「ゴージャス系日本女子」の美点として挙げたのだろうが、これがなかなか危うい。なぜなら、「田村耕太郎さんにとって、日本人女性が英語および仕事ができることは、特筆すべきこと」とも解釈でき、見方によっては、「日本の女性は一般的には英語も仕事もできない」という仮定の裏返しとも言えるからだ。日本人男性の男尊女卑の思想を揶揄したツイートそのものが、男尊女卑の思想を孕んでいるというのは皮肉である。

「バカめ、お前が単に深読みしすぎだ」と言う人もいるかもしれない。確かに僕はいろいろと深読みしすぎる傾向がある。しかし、田村耕太郎さんは、現役ではないとは言え、いっぱしの政治家である。発言ひとつひとつに誤解がないように努めるべきだろう。また、男のぼくを、深読みしすぎだと言って諌めるのは構わないが、もし僕がここに書いたようなことを感じる女性がいたとして、その女性も、「深読みしすぎだ」と一蹴できるだろうか。当たり前だが、「私の無神経な発言で傷ついたり悩んだりするあなたが悪い」的な議論の展開はろくな結果を生まない。

田村耕太郎さんは、「家庭に入る」ことを望む日本人男性という一つのステレオタイプを批判したかったのだと思う。それ自体は悪いことではないし、現に日本人男性に、そういう傾向があるというのは想像にかたくない。しかし、そういう社会的に敏感な問題を語る時こそ、自分自身の発言に細心の注意を払わなくてはいけない。さもないと今回の田村耕太郎さんのように、ミイラ取りがミイラということになってしまう。


まあいろいろとブーたれましたが、ぼくは個人的には三高女子が大好きです。是非仲良くしたいです。以上。

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