2012-10-21
日本のMカーブ
小黒一正さんのアゴラ記事経由で、「女性は日本を救うことができるのか」というIMFのレポートを発見。小黒さんの記事は、女性の雇用を引き上げることが、日本社会の労働力の減少と経済の失速に歯止めがかけられるという点がメインだったが、元ネタのレポートには他にもいろいろ面白いことが書いてある。そのうちの一つがMカーブ(下図はレポートから拝借)。
レポートにも書いてあるように、日本の女性も、20代前半のうちはドイツやアメリカと同じくらいの就業率なのだが、20代後半になると、ガクッと下がり、30代後半に少し持ち返す。レポートは、この急な就業率の下降は、出産直後に職場に戻らない女性が多いからだとみている(そしておそらく30代後半の持ち返しは、パートで出たり、子育てにめどがついて復職する人たちだろう)。そしてその理由として、男性と比べ女性のキャリアパスが乏しかったり不公平だったりすること、育児サポートが満足に整備されてないことなどが挙げられている。
移民アレルギーで、外から労働力を持ってくるのがヘタクソな日本が、日に日にしぼんでいく労働力を補うもっとも手っ取り早い手段は、女性の労働力の効果的利用であることは間違いない。そのためには雇用環境1を大幅に改善したり、問題意識をもっと明確にしていくことが第一歩だろう。
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実際に共働きで子持ちの友人によると、雇用環境よりも保育所/士の不足や、そもそも共働きで育児を一部的に委託することに対する偏見のほうが問題のようだ。
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