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私はエンジニアである。実績はまだない。

たまに「どうやったらエンジニア[1]になれるんですか」と聞かれる。2006年に「トップランナー」に出演したリリー・フランキーの言葉に答えがある。

よくイラストレーターになりたいっていう人と話すときがあるんですけれどそんなもん、なりゃいいんですよ。免許なんか要らないんだから。どうやったらなれるのですか? と言えば 名刺に「イラストレーター」と書きなさい、っていうそれだけのことですよ。

「イラストレーター」を「エンジニア」で置き換えればいいというのがぼくの答えだ。免許が必要な医師・弁護士・建築士などと違って、エンジニアなんてのは、そう名乗った瞬間からエンジニアだ。

「そんなことはない!コードが書けなきゃエンジニアじゃないよ!」という声が聞こえてくるのでコードを書いてみよう。ワードでもノートパッドでもなんでもいいからエディタを開いて、次のコードをコピペしよう。

<html>
    <body>
        蒼井優大好き!
    </body>
</html>

これを保存してパチパチパチ。あなたはもう既にコードを書いたのだ。だって誰かがこのファイルをブラウザーを使って開いたら、「蒼井優大好き!」[2]というのが画面に表示されるし。「なんらかの処理系(ここではブラウザー)に読み込ませることで、何かをするもの」というかなり狭いコードの定義をもってしても、これは立派なコードだ。コードを書いたんだから、十分にエンジニアを名乗る資格がある。

ぼくが言いたいのは肩書きなんかくだらないってこと。「どうやったらエンジニアになれるのか」というのはまず質問からして間違っている。「どうやったらクロームブラウザーを改造したりできるようになりますか」とか「どうやったら自分のウェブサイトを作れますか」という「ソフトウェアって中身はどうなってんだろう」という具体的な質問ならわかる。でもエンジニアという肩書きそのものにはなーんの意味もない。「どうやったらエンジニアになれるのか」と聞いている時点で、おそらく聞き手にとって大事なのはThe Social Networkで一躍イマドキの肩書きになった(ソフトウェア)エンジニアという実態のないイメージに憧れてんだろうなーと思ってしまう。で、そんなフワフワしたことを聞いている人たちの中からすごいエンジニアは生まれないと思う。コードを書くのが好きでやっていたら、世間的にはエンジニアになっていたというのが筋道じゃないかなと。

...ということで、私はエンジニアである。実績はまだあんまりない。でもコードを書くのは好きなので、周りがエンジニアと呼んでくれなくなっても書いていると思う。


  1. なぜがアメリカでも日本でも、プログラマーという呼称はエンジニアよりも下に見られる傾向がある。エンジニアというとそれこそ色々な種類のエンジニアがいるので、本来ならプログラマーあるいはソフトウェアエンジニアというべきなんだろうが、ソフトウェアエンジニアはいくらなんでも長すぎる。ということで、ここでのエンジニアはソフトウェアエンジニアのことです。
  2. これはあくまで例です。

2011-10-12