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買収祭り

先週と今週は、シリコンバレーでは買収祭りだった。

まず、TwitterがPosterousを人材買収した。Posterousは、2008年に始まった、メールで更新できることが売りのブログサービスだったのだが、この1年ほどで完全にTumblrに水をあけられてしまった感じだ。メールで簡単に更新できるインターフェイスは、ブログという飽和しきったプロダクトの中では斬新だったが、あまり有用でなかった気がする。長文をメールに打ち込むことなんてまずないし、短文や写真だったら、TwitterやInstagramがある。もう一つのPosterousの敗因は、去年リリースした、Posterous Spaceという、いわゆるソーシャルな機能だ。正直意味不明だ。個人的には、ブログサービス一本で勝負していた方が、まだ成功する可能性があったんじゃないかなと思う。

お次は、Green DotによるLooptの買収だ。Looptは、2007年に、まだ何もコードも書けない時に面接してもらい、見事に落とされたのだが、モバイルの世界で、いち早く位置情報を利用したサービスを展開してきたことは、評価されるべきだと思うので、一区切りついたことは嬉しく思う。完全に下火のサービスが4300万ドルで買収って高すぎじゃないかとか、著名なベンチャーキャピタルファームのSequiaが、Green DotとLooptの両方にお金を入れている時点で胡散臭いとか、いろいろと厳しい意見も行き交っている。でも、Stanford大学を退学してLooptをはじめたSam AltmanとNick Sivoの勇気と先見の明が、それなりに評価されるのは大事なことだ。スタートアップ買収の副作用--起業を夢見ている優秀な学生を鼓舞させること--というのも忘れてはいけない。

そして正確には買収ではないのだが、Diggで知られるKevin Roseが、Google先生で働くことになった。Kevin RoseはDiggに見切りをつけた後、Milkというインキュベーター的な会社をやっていたのだが、そこの最初の製品であるOinkも閉鎖し、Googleに転職したようだ。どうやらMilkの社員数人も一緒にGoogleに入社したようで、実質的な人材買収だろう。Kevin RoseはBusiness Weekの表紙も飾ったことがあるインターネットセレブなので、Googleとしては、その知名度をGoogle+に活かしたいようだ。

まるでつまらない話になってしまった。オチも何もないという。あえて一言いえば、先の3社の買収に共通しているのは、やはりスタートアップも、ビジネスモデルがなければ、人材買収以上の結末は期待できないということだろうか。そんなのは当たり前のことなのだが、投資家のお金があふれているのが現状なので、「とにかく面白そうで、ユーザーが増えれてばいいや」的な会社が数多くある。先の3つの買収は、「それでもいいけど、ビジネスモデルがないとせいぜい人材買収どまりだよ」ということなのかもしれない。

2012-03-16